「世界の大学(所在地:日本)」というブランディング

「世界の大学(所在地:日本)」というブランディング

ハーバード大やプリンストン大等の海外大学の多くは、Common ApplicationやUniversal College Applicationといった共通のプラットフォームで入試を行っているが、もしそこに日本の大学が名前を連ねたとしたとしたらどうなるだろう?

ひょっとしたら、ハーバード大を志望するような世界の学生たちを獲得する機会を得られるかもしれない。逆に言えば、そのプラットフォームに参加しなければ、永遠に見向きもされないというだけだ。

よく、全てをオンラインで管理することに対して「セキュリティは大丈夫なのか?」と気にする人がいる。しかし、紙で管理したところで、盗難や紛失のリスクは当然ある。個人情報を大量の紙に印刷して、多くの人員で扱うという方が、セキュリティは甘いと言える。

米国における入試のオンライン化は、インターネットが一般化し始めた1995年頃から行われている。約20年の間に蓄積されたナレッジはダテではない。世界有数の大学がこぞって採用しているのは、ベースにその実績と信頼があってこそだ。そうでなければ、ここまで標準化されているはずはないし、米国の大学にできて、日本の大学にできないというのもおかしな話だ。

また、このまま日本が大学入試のオンライン化に二の足を踏み続けても、数年後には必ず必須要件となるだろう。その時になって、先行事例を活用することなく、独自のガラパゴスシステムでオンライン化を果たそうとすれば、先達が20年かけて経験した過ちを一通り繰り返すことになる。そして、システムが熟成した頃には、アメリカは次のステージに進んでいる可能性が極めて高い。

世界的な人材獲得競争はすでに始まっている。現実問題として、2020年のスポーツの一大イベントと同様に、大学の位置付けも「日本にある世界レベルの大学」を目指さなければならない。この現実を甘く見ている大学は遅かれ早かれ淘汰されることになるはずだ。

真の「高大接続システム改革」は実社会の要請を世界基準で捉えた「攻めの改革」に他ならない。したがって、世界から学生を募集することを確定したうえで、そのための入試制度、そのためのカリキュラムの構築が喫緊のテーマだ。

もはや悠長に議論を重ねているだけでは済まされない段階に入っている。最後は「できるか・できないか」ではなく、「やるか・やらないか」の選択なのだ。

積み上げの発想ではなく、ステージをガラリと変える施策を打たなければならない。自分たちが変わるのと同じように、周りが、世界が変わる。数年後に自分たちが想定した「グローバル化」を実現できたとしても、時代はもはや私たちの予定調和的な発想をはるかに越えた次元に達しているかもしれないのだ。

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