「デマ」に騙されないための“3つ”のポイント

「デマ」に騙されないための“3つ”のポイント

2015年8月、一件の投稿に多くのTwitterユーザが踊らされました。

投稿の内容は、スマートフォンの速度制限を解除できる裏技について。

「iPhoneの人の裏技で、キーパッドの『1』を2回、『0』を1回押した後に素早く通話ボタンを押すと通信制限が解除されるよ、試した人はRT(リツイート)!」

この「裏技」として投稿された内容により、裏技と信じて「110」をダイヤルし警察に電話をかけてしまったユーザが多くいたのでしょう。

広島県警では公式アカウントが「デマ」についての注意喚起を投稿し、翌日にはネットやテレビのニュースでも取り上げられました。

よく読めばわかるような「デマ」になぜ多くのユーザが騙されたのでしょうか?

ユーザが「デマ」に騙された背景

今でこそ、キャリア各社がギガ放題やギガモンスターなど、大容量のデータ通信契約を結ぶことが可能ですが、2015年の夏にはまだそういった契約はスタンダードなものではありませんでした。

内閣府の「平成27年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」では、スマートフォンを利用している多くの青少年(10~17歳)が動画視聴や音楽視聴を行っていることを垣間見ることができます。

Wi-Fi環境を利用せずキャリア契約のまま動画や音楽を視聴すると、契約している所定データ量をオーバーしたユーザは、通常の通信速度(75Mbps~100Mbps程度)で接続できていたものが、次の月初めまでは低速(128kbps程度)に制限されてしまいます。

これを速度制限と呼んでいます。

通信制限が解除されるという「デマ」投稿が現れたのは月末近い25日。

速度制限解除という言葉は、速度制限を受けているユーザには魅惑の言葉でした。

実際に騙されたユーザによるリツイートや、単なる愉快な投稿としてのリツイートにより、フォロワーのフォロワー、またそのフォロワーへと拡散されていったのです。

また、「110」という3桁の数字が並んでいればピンッ!とくるものも、「『1』を2回、『0』を1回」という直接的ではない言い回しが気づきにくくさせた可能性もあります。

講演でこの事例を紹介する際に、問題のフレーズを数回繰り返して話すことでようやく緊急通報に用いられる番号だと気づく人も少なくはありません。

「デマ」の歴史

この速度制限解除に関する「デマ」以外にも、世の中には多くの「デマ」が存在しました。

【ネットに流れたデマ】

2011年3月 震災に伴う節電協力チェーンメール(梅田経済新聞)
2012年5月 大阪市の橋下徹市長が市内の小中学生にツイッターを義務化(虚構新聞)
虚構新聞より謝罪投稿
2012年12月 震災時(2011/03/11)に既読にならなかったLINE
LINE 舛田氏による注意喚起投稿
2013年11月 Twitterで本名を「氏名:」という文字のあとに書き込むとモザイクがかかる
2015年8月 110で速度制限解除
広島県警による注意喚起投稿
2016年4月 熊本地震でライオンが動物園から逃げた
偽計業務妨害で投稿者が逮捕(産経新聞)

 
これらは、ネットに流れた「デマ」の一部です。

今のようにネットが身近な存在になる以前も、多くの「デマ」が世の中に溢れていました。
アニメの最終回に関する噂のような他愛もないものから、ハレー彗星によって地球上の酸素がなくなるというような生活を脅かす可能性があるものまで。
「デマ」はいつの時代にも存在していたのです。

「デマ」に騙されないための、“3つ”のポイント

「デマ」に騙されないためには、“3つ”のポイントに注意することが大切です。

  1. 「~らしい」、「~のようだ」といった伝聞系は疑う
  2. 目にした、耳にした情報を精査する
  3. 公式情報を確認する

先に挙げた速度制限解除のデマは伝聞系ではありませんでしたが、内容をじっくり読めば「110」という番号に電話をかけていることがわかります。

公式サイトがあるようなサービスや、発信者が明言されている場合には、公式情報を確認すると良いでしょう。

他者からの噂や不確定情報に対してどのように向き合うのかは、ネットでもリアルでも同じです。

そして、その情報との接し方そのものが、本人の評価にもつながる時代です。

昨今、多くの学校で情報教育に取り組んでいますが、子供たちが情報について触れる場は学校だけに限った話ではありません。子供たち自身が「デマ」の中継・拡散を安易に行ってしまわないために、情報を立ち止まって受止め、精査することの大切さを伝えていく必要があるのではないでしょうか。

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