[米国教育最前線レポート]ニューヨーク最古の公立大学が有する3つの特徴

[米国教育最前線レポート]ニューヨーク最古の公立大学が有する3つの特徴

This report is based on an interview with Irina Ostrozhnyuk, Admission Counselor of Hunter College on June 17, 2016.

ニューヨーク・マンハッタンの中心街に位置するハンターカレッジは、1870年創立のニューヨーク最古の公立大学として知られ、ローカル&グローバルに活躍できるリーダー育成を目指している。物事の移り変わりが激しいマンハッタンというロケーションで、常に先進的な学びと研究の場を提供しながら、大学の伝統文化を守り続けてきたハンターカレッジ。同大学のアドミッションオフィサーへのインタビューから、日本の大学との違いが見えてきた。

特徴1:海外150ヵ国、国内46州から多様な学生が集うダイバーシティーキャンパス

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多様なバックグラウンドを持つ学生と教職員からなるキャンパスはマンハッタンそのものを体現していると言っても過言ではない。授業でも、グループワークでも、部活動、サークル活動でも、異なる文化的な背景を持ち、英語を母語としない人々とどのように共同・協働していくのかが試される。カリキュラムだけでなく、環境そのものが教材になっている。日常から鍛えられているからこそ、マンハッタンのコミュニティや、世界に出ても即戦力で活躍できるのだ。

特徴2:マンハッタンで長い歴史を持つ大学が誇るネットワークを駆使したインターンシップ制度

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ベストカレッジのランキングで常にトップ20位以内に評価されるキャリアセンターを持つハンターカレッジでは、大学卒業後のキャリアアドバイスだけでなく、在学中のインターンシップの紹介も行っている。ハンターカレッジが持つネットワークは、ニューヨークならではの企業(The New York Times、CNN、The Metなど)から、地元密着の幼稚園や小学校まで、実に幅広い。

プリプロフェッショナルな体験を通じて、リーダーシップとチームワーク、現場の知識など、社会に出てから求められる経験を積んだハンターカレッジの学生を採用したいという企業や、NPO団体がニューヨーク市内には多いそうだ。

特徴3:メジャー(専攻)のみでも100以上の豊富なプログラムのバリエーションと組み合わせ

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アメリカでは、ダブルメジャーの制度で、2つの専攻を同時に修了する学生や、1つのメジャーに対してマイナー(副専攻)を取得し、より専門性を高めようとする履修方法が一般的になってきた。それでもまだ、大学によっては、4年間という限られた時間の中では、同時に履修するのが不可能な組み合わせがあるなど、専攻によって偏りが出るのが現状だ。

しかし、ハンターカレッジでは、学部や学科を超えた履修を柔軟に認めたり、夜遅くや、土日にも授業を行うことによって、学生が必要なメジャーとマイナーを組み合わせることを可能にしている。東京の失業率3.8%(2015年)に比べ、マンハッタンの失業率は6.9%(2015年)。就職競争も激しく、仕事を続けることも厳しいマンハッタンという環境で活躍できる人財を育成するために、ハンターカレッジは、グローバルシティの多様な文化を大学キャンパス内に取り込んでいる。

そして、インターンシップなどを通じて、実社会に学生を送り出すことによって、学生たちに自分の進路をリアルに設計させ、さらには、バリエーション豊富なカリキュラムを提供することによって、学生たちが将来設計の実現に向けて、自分なりの学びをデザインできるようになっている。

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