アメリカが直面する新たな教育課題とは?

アメリカが直面する新たな教育課題とは?

21世紀に入り、変化の波に呑まれている教育分野

今、日本だけでなく、アメリカの教育も大きく変化する時期を迎えようとしている。

これまで米国では、学生がローンを組んで高い学費を支払い、大学卒業後も返済が続けるというモデルが一般的だった。しかし、新卒採用という制度が一般化していないアメリカでは、リーマンショック以降、卒業後に安定した職を見つけ、ローンを返済できる層が極端に減ってきた。

その結果、学費の安いコミュニティカレッジへ進学する学生や、大学に進学せずに就職をする学生も増えた。このような時代において、大学は「大学に進学するメリット」をきちんと提示する必要がある。高い学費や時間を費やしてまで入学する大学内での環境はもちろんのこと、卒業後の社会での活躍を保障できなければ、ますます学生を集めるのが難しくなるということになる。

入学~就学~卒業後までの善循環を生み出す人財の獲得・輩出

これまで、アメリカの大学は、大統領や政治家など、スターを輩出することを1つのステータスとしてきた。しかし、これからは、陽の当たる舞台だけではなく、世界の様々な場所で個性を発揮して活躍できる人財を育成することが求められる。そして、そのような人財たちは、自分たちが学ぶために借りたローンを大学にきちんと返済し、将来的には、大学に育ててもらったという感謝の気持ちを寄付金として還元してくれる、そういった善循環を生み出す人財になるはずだ。

SAT(Scholastic Assessment Test)のスコアと、肩書きが良い学生を集めるだけでは、このような善循環を実現することは困難だ。大学のアドミッションポリシーにマッチした、優秀なアプリケーション(願書)を出してくる人財だけではなく、その後の時間、大学入学後、卒業後も、ともに大学を育てる意識を持った人財を獲得するために、アプリケーションシステム(入学受付)自体を改革していかなくてはならないというのが、今、アメリカの教育界の健全な危機感なのだ。

一方で、近年では、学生がアプリケーションに、自分のこれまでの活動をまとめた自己PRの動画を添付したり、学校での経験や課外活動をホームページにまとめて、そのリンクを提出したりし始めているそうだ。このように、志願者の間でも“具体的な変化”が生まれている。日本でも、入試改革の変化を待つまでもなく、自ら志願者が動き始めるようなムーブメントを作りたいものだ。

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