ポケモンGOに見る、楽しさが崩す先入観の壁

ポケモンGOに見る、楽しさが崩す先入観の壁

今年の夏、世界を熱狂させた1つのスマホアプリがある。「ポケモンGO」だ。それを裏付けるべく,リリースから1ヵ月も経たないうちに5つのギネス世界記録を打ち立てている。認定されたのは次の5項目。

  • 配信から最初の1ヵ月のダウンロード数が最多(1億3,000万ダウンロード)
  • 売上高1億ドル達成が過去最速(20日)
  • 最初の1ヵ月の売上高が最高(2億650万ドルを突破)
  • 最初の1ヵ月間の売上高で同時にトップを獲得した国・地域が最多(55ヵ国)
  • 最初の1ヵ月間でダウンロード人気ランキングで同時にトップを獲得した国・地域が最多(70ヵ国)

かくいう筆者もポケモンGOリリース直後からハマり,今も時間を見つけては楽しんでいる。どんなゲームなのかご存知ない方はこちらの動画をご覧いただきたい。

楽しさが先入観の壁を崩す

さて,今回取り上げたいのは,この爆発的ヒットを記録するポケモンGOがもたらした市場の変化と,その動きから見るユーザの心理,そして「楽しさの重要性」についてだ。

ドイツに拠点を置くモバイルコンテンツ配信事業に取り組むDOCOMO Digitalが発表したレポートによれば,ポケモンGOリリース後,ヨーロッパのGoogle Playストアにおけるトップ4ゲームの売上が10%も伸びているそうだ(ここで言う売上とは,おもにゲーム内でユーザが課金した金額を指す)。

さらに同レポートでは,この10%の伸び,とくにポケモンGO以外のゲームの売上増は,これまでお金を払うほどまではゲームにのめり込まなかったユーザたちが増えているからとし,それはすなわち,多くのユーザたちがスマホゲーム内(アプリ内)で,抵抗なくお金を使い始めてきていることを意味すると指摘する。

この指摘がどこまで正確かはわからない。しかし,筆者もまた,この指摘は間違っていないと考える。つまり,これまでは「ゲームはタダで楽しむもの」という先入観に対して,ポケモンGOを体験したことにより「お金を払うことでより楽しめる」という心理的変化が生まれ,それがポケモンGOの枠を越え,他のスマホゲーム・アプリにまで伝播したと考えられるのだ。

この変化の中心にあるのは「楽しさ」にほかならない。「楽しさ」は何にも増して人を動かす要因となり,また,多くの人間にとって障壁になりうる先入観の壁を崩すきっかけにもなる。

これを教育現場に当てはめてみる。教育現場では,「教える立場の人間(教師たち)が,教わる立場の人間(子どもたち)に何かを教える」という構図がある。ゴールは「(誰が教えるにせよ)子どもたちに知識・経験を高めてもらうこと」だ。

その学習効果を最大限に高めるにはどうすべきか?――ポケモンGOで見られた動きをヒントに,教える側も「楽しさ」を意識し,「楽しさ」を入口に子どもたちにアプローチしていくことで,子どもたちがより一層前のめりに学ぼうとするだろう。その結果、最大の学習効果が生まれるはずだ。

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