気づかぬうちに中毒かも?!スマホ依存度を測るには?

気づかぬうちに中毒かも?!スマホ依存度を測るには?

電車の中でふと周りを見渡してみると、スマートフォンをいじっている人がほとんどだった……現在の日本では当たり前の光景でしょう。

児童・生徒のスマートフォン所有率も高くなってきており、内閣府の「平成28年版 子供・若者白書(PDF)」によると、小学生は50.2%、中学生は60.9%、高校生は96.7%がスマートフォンや携帯電話を所有しています。

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また、過度に利用することによって、スマートフォンが手元にないとそわそわしたり、使いすぎで寝不足や肩こりを訴えたり、ひどいときはパニック状態に陥ったりする、いわゆる「スマホ依存」の子どもが増えてきているようです。

MMD研究所の調査でも、「スマホに依存していると感じているか」という質問に対して、「かなり依存している」と「やや依存している」を合わせると、10~30代は7~8割の人が依存している自覚があるとわかります。

「スマホ依存度」測定をめぐって

実は現在、日本において「スマホ依存」というものの明確な定義はされていません。

よって、まずは「依存」という言葉に着目しましょう。WHOのICD-10という医療的な依存のガイドラインでは、次の6つの項目について、過去1年間に1ヵ月以上、もしくは1ヵ月未満であれば繰り返して3項目以上が該当した場合に依存症と診断がつきます。

WHOのICD-10(医療的な依存のガイドライン)

項目 症状 端的にいうと
1 物質を摂取したいという強い欲望あるいは強迫感 渇望
2 物質使用の開始、終了、あるいは使用量に関して、その物質の摂取行動を統制することが困難 コントロール不能
3 物質使用を中止もしくは減量したときの生理学的離脱状態。その物質に特徴的な離脱症候群の出現や、離脱症状を軽減するか避ける意図で同じ物質(もしくは近縁の物質)を使用することが証拠となる 禁断症状
4 初めより少量で得られたその精神作用物質の効果を得るために、使用量を増やさなければならないような耐性の証拠 耐性
5 精神作用物質使用のために、それにかわる楽しみや興味を次第に無視するようになり、その物質を摂取せざるをえない時間や、その効果からの回復に要する時間が延長する 対象物中心の生活
6 明らかに有害な結果が起きているにもかかわらず、いぜんとして物質を使用する。例えば、過度の飲酒による肝臓障害、ある期間物質を大量使用した結果としての抑うつ気分状態、薬物に関連した認知機能の障害などの害、使用者がその害の性質と大きさに実際気づいていることを(予測にしろ)確定するよう努力しなければならない 判断力の欠如

 

上記のガイドラインを踏まえ、1998年にキンバリー・ヤングという人が「インターネット依存度」を測るテストを考えました。スマートフォンを使用する際、インターネット接続が主目的であることから、日本で「スマホ依存」を診断する際には、このインターネット依存度テストも用いられます。「インターネット」という言葉を「スマートフォン」に置き換えて、ご自身がどうかをテストしてみましょう。

インターネット依存度テスト

項目 症状 1:全くない 2:まれにある 3:時々ある 4:よくある 5:いつもある
1 気がつくと思っていたより、長い時間インターネットをしていることがありますか。
2 インターネットをする時間を増やすために、家庭での仕事や役割をおろそかにすることがありますか。
3 配偶者や友人と過ごすよりも、インターネットを選ぶことがありますか。
4 インターネットで新しい仲間を作ることがありますか。
5 インターネットをしている時間が長いと周りの人から文句を言われたことがありますか。
6 インターネットをしている時間が長くて、学校の成績や学業に支障をきたすことがありますか。
7 他にやらなければならないことがあっても、まず先に電子メールをチェックすることがありますか。
8 インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか。
9 人にインターネットで何をしているのか聞かれたとき防御的になったり、隠そうとしたことがどれくらいありますか。
10 日々の生活の心配事から心をそらすためにインターネットで心を静めることがありますか。
11 気がつけば、また次のネット利用を楽しみにしていることがありますか。
12 ネットのない生活は、退屈で、むなしく、詫びしいだろうと不安に思うことがありますか。
13 ネットをしている最中に誰かに邪魔をされると、いらいらしたり、怒ったり、言い返したりすることがありますか。
14 夜遅くまでネットをすることが原因で、睡眠時間が短くなっていますか。
15 ネットをしていないときでも、ネットのことを考えてぼんやりしたり、ネットをしているところを空想したりすることがありますか。
16 ネットをしているとき「あと何分だけ」と自分で言い訳していることがありますか。
17 ネットする時間や頻度を減らそうとしても、できないことがありますか。
18 ネットをしている時間や頻度を、人に隠そうとすることがありますか。
19 誰かと外出するより、ネットを利用することを選ぶことがありますか。
20 ネットしていないと憂鬱になったり、いらいらしたりしても、再開すると嫌な気持ちが消えてしまうことがありますか。

 

「全くない」は1点、「まれにある」は2点、「時々ある」は3点、「よくある」は4点、「いつもある」は5点として、合計点数を算出してください。何点になりましたか? 結果は次の通りです。

【20~39点】
平均的なオンラインユーザーです。

【40~69点】
インターネット(スマートフォン)による問題があります。インターネット(スマートフォン)があなたの生活に与えている影響について、よく考えてみてください。

【70~100点】
インターネット(スマートフォン)があなたの生活に重大な問題をもたらしています。すぐに治療の必要があるでしょう。

ちなみに、筆者の周りの人たちにこのテストをやってもらったところ、ほとんどが中程度、あるいは要治療という結果になりました。ここで、このテストは1998年につくられものであり、さらにIoTが発展していくだろう現代に、はたして即しているのかという疑問が浮上します。

また、長時間利用しているから依存だというような、時間量で依存度を捉えようとすると、調査や学習など有意義なことに対してインターネット(スマートフォン)を使ったときもすべて依存に当てはまるのかという話になってしまいます。

したがって、スマートフォン利用によって引き起こされる症状を一般的な依存症と同じに扱うかどうかが専門家の間でも議論され続けており、国際的な診断ガイドラインの整備も遅れています。しかし、前述のようにスマートフォンに依存していると思う人はたくさんいますので、何らかの対策が必要です。

使用は避けられないからこそ、まずは子どもの現状を知る

塾のお迎えや、友だちとの連絡など、子どもたちの生活と切っては切れない存在であるスマートフォンだからこそ、全く使用させないということは難しいでしょう。そこでまずは、今回のテストをきっかけに、子どもがどんなときにスマートフォンを使っているのか、使いすぎている場面はないかなどを大人が子どもと一緒に話してみましょう。

自治体によってはスマートフォンを持たないように指導しているようですが、児童・生徒の家庭内でどうされているかの詳細を学校の先生は把握しづらい。しかし、先生は明らかに寝不足だったり成績が低下してきたりしている子どもに気づくときがあるかと思います。そんなときは、スマートフォンとの付き合い方についても、ぜひ子どもに聞いてみてください。

保護者のかたは、子どもがゲームやSNSなどに不必要に時間を割いているようであれば、「夜10時以降は使わない」「リビングでのみ使用してよい」などといったルールを考えてみるのもオススメです。

次回は、スマホ依存をより深く理解するために、その原因について迫ります。

お楽しみに。

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