子供たちの入学式や進級もひと段落して、今までスマートフォンを持っていなかった子供たちからも「スマートフォンが欲しい!」という声が聞こえてきます。
このタイミングで子供たちにスマートフォンを買い与えることを「お祝いスマホ」と呼ぶようになったのはいつごろからでしょうか。
市町村によっては、卒業を控えた学年にお祝いスマホに関するチラシを配布している例もあるようです。
安易に考えていませんか? 卒業・進学・新入学 お祝いスマホ|富山県
欲しがったときこそ子供とルールを作るきっかけにしよう
子供たちにどうしてスマートフォンが欲しいのかを質問すると、色々な答えが返ってきます。
- 友達が持っているから
- やりたいゲームやアプリがあって、面白そうだから
- すぐに連絡できて便利そうだから
スマートフォンが欲しいと思う子供たちは、欲求ばかりが先に立って危険性を考えていないのではないかというとそうではありません。
同じように、スマートフォンを利用して気を付けないといけないことが何かを質問すると、彼らなりに思うことを答えてくれます。
- 課金したら大変なことになる
- 騙す人や、ストーカーとか怖い
- ネットいじめとか怖い
スマートフォンを持てば良いことがあるけれど、怖いこともあるかもしれない。
多くの子供達は、持った先のこともしっかりとイメージできるのです。
子供が「スマートフォンが欲しい」と言ってきた時に、ぜひ、2つのポイントを子供に聞いてみてください。
- 良いことについて…なぜ欲しいのか?どんな点が便利なのか?
- 怖いことについて…気を付けないといけないことは何か?どんな失敗があるのか?
良いことに使うためには、何をすればよいのか?
怖いことに会わないためには、何をすればよいのか?
たと例えば、子供が「やりたいゲームがある!」と言った場合には、そのゲームをすることでどんな失敗があるのかを考えさせます。「ゲームをやりすぎてしまう」と答えれば利用時間を考えることができますし、「ゲームで課金してしまう」と答えればお金の問題について考えることができるでしょう。
子供とルール作りがしっかりできれば、ようやく購入のステップを踏むことができます。
子供のスマートフォンはどこと契約する?
さて、いざ子供のスマートフォンを契約しようとすると、どこと契約したらいいか悩みどころです。
保護者が契約している携帯キャリアと同じところと契約するというのが最も多いパターンでしょうか。
平成27年12月に総務省にて開催された「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース(第5回)」で、いわゆる2年縛りと呼ばれている2年間の期間拘束契約の見直しについて言及されて以降、2年目以降の解約可能な更新月の延長や、2年目以降に拘束期間がなく自由に解約が可能になるプランなど携帯キャリアの契約形式も変わってきていますが、多くの利用者は基本的には2年間は解約しないという条件の契約を行っています。
ある保護者の方から、「ルールを破った場合は、解約をする」と子供と約束したが、ルールが守られなかったために2年契約中にも関わらず解約を行うことになり、違約金が発生し高い勉強代となってしまったと聞きました。
端末料金を分割払いにしている場合には、違約金に加えて未払いの端末料金を支払う必要があります。
まだ、子供がスマートフォンと上手に付き合えるかわからないという場合には、SIMフリースマートフォンとMVNO※のSIMの組み合わせをお試しとして契約するのも一つの手段です。
※:MVNOは格安SIMと呼ばれることもありますが、ドコモやauといった携帯キャリアの設備を借りて提供される仕組みです。
データ通信のみで、音声通話機能を持たないSIMであれば最低利用期間が設定されていないMVNOもあります。
音声通話機能を持たない契約(データ通信プラン)でも一切通話ができないというわけではありません。別途、IP電話の契約や、LINEやSkype、Facebook Messengerといった音声通話アプリを利用することで通話を行うことは可能です。
SIMフリーのスマートフォン端末は1万円未満のものもあり経済的です。
また、MVNOの中にはLINEやTwitterなどの特定アプリの通信量を無料にするカウントフリーを行っているところもあります。
子供がスマートフォンで何をしたいのか、使用状況によっては解約を前提とした契約を行うなど、せっかくの道具ですから、うまく使いこなすだけでなく契約の中身がどうなっているかを把握していきたいところです。
子供に「お祝いスマホ」を与えるのは簡単ですが、契約した後のことを事前に考えておきましょう。