「ネットパトロール」という言葉を聞いたことがありますか?
ネットパトロールは子供たちのインターネット上の行動を確認し、問題投稿に対して注意喚起を行っています。
私たちの日常に置き換えてみれば、地域パトロールを行っている大人が深夜徘徊をする子供たちを注意しているのと同じような光景ですね。
地域パトロールは、警察だけでなく地元の有志によるものもあり、地域に根付いた活動になっているところも多いのではないでしょうか。
筆者が居住する地域では、PTAによる持ち回りの地域パトロールが行われるなど、保護者も積極的に地元の子供たちの安全をチェックしています。
では、インターネットの場合はどうでしょうか。
先ほど、ネットパトロールと地域パトロールが似たような光景と述べましたが、実際には、場所がインターネット空間に変わると、地元の有志やPTAで持ち回りでパトロールはほとんど無いのではないでしょうか。
ネットパトロールは誰が行っているのでしょうか?
ネットパトロール取組事例
平成24年に文科省にて公開された「学校ネットパトロールに関する取組事例・資料集(教育委員会等向け)」では、以下のような事例が紹介されています。
- 教育委員会が臨時職員を雇用して独自に実施
- 教育委員会職員(指導主事)等が実施
- 教育委員会が民間企業に委託
- 学校がネットパトロールを実施
- ネットパトロールボランティアの委嘱
- 大学のボランティアグループに委託
パトロールという言葉からネット上の違法行為を確認していると受け止められることもありますが、実際に、学校が子供たちにネットパトロールから指摘を受けて注意している項目は以下のようなものです。
- SNSのプロフィール欄に学校名や本名を掲載していた
- SNSに個人情報が判別可能な投稿を行った
- SNSで誹謗中傷を行った
学校で行う指導は明らかな違法行為の指摘よりも、個人情報の取り扱いについてのほうが多いようです。
ネットパトロールにかける予算や体制、パトロール対象、どのような対応をするのかは都道府県や学校によって異なります。ネットパトロールを設置していない都道府県や学校もあり、子供たちを見守るインターネット上の環境には格差が存在しています。
保護者にもできるネットパトロール
では、居住している都道府県も学校もネットパトロールを行っていない場合、私たち保護者はどのように対応すればよいのでしょうか?
筆者が代表を務める子供とネットを考える会で、「おかーちゃんの勝手にネットパトロール」という講演が行われたことがありました。
講師は兵庫県在住のおかーちゃんです。
「ネット上の君は 定期的に母が 見守るようにするよ」という言葉を子供に伝え、子供のネット上の行動を見守る方法や対話を丁寧に解説されています。
もし、自分の子供のインターネット上の行動を見守りたいと思った場合には、とても参考になる講演内容です。
ネットパトロールは誰が行うべきなのか
この講演内容が公開された際には、「子供の見守り方の参考になった」という前向きな意見だけでなく「ストーカーっぽくてキモい」といった否定的な意見まで多くの意見が寄せられました。
地域パトロールの場合、子供たちが訪れそうな危険な場所の巡回を行います。
ネットパトロールの場合、子供たちが危うい投稿を行う恐れがある場所をチェックします。
地域パトロールとネットパトロールは何が異なるのでしょうか?
そして、ネットパトロールは誰が行うべきなのでしょうか?
まずは、自分の子供たちが通う学校でネットパトロールがどのように行われているのかを知るところから始めてみませんか?
リアルの子どもたちを知っている大人なら、効果的に見守る事ができるはずです。