医学の原点も全方位360度シアターだった

医学の原点も全方位360度シアターだった

「手術室」のことを英語で「Operating Room」と言うが、イギリスでは、「Operating Theater」と呼ばれることがある。ロンドンにある博物館「Old Operating Theater Museum」には、英国最古の手術室が展示されている。手術台が中央に置かれ、それを360度囲むようにして席が設けられている。担当の医師と助手が手術を行っている間、他の医療関係者が周りの席に着くのだ。

手術は一度始めたら止めることができない。伝聞や書物に書かれた予備知識だけでは対処できない不測の事態の連続を、その場その瞬間の行動で切り抜けていかなければならない。

したがって、ライブだからこそ得られる生々しい知見こそが重要で、その場に居合わせることが、最大の学びになる。手術の成功率が極めて低かった時代ともなれば、なおのことだろう。たった1回限りの、再現不可能な場が持つ価値は、計り知れず大きかったはずだ。

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Compasses over Maps:地図よりもコンパスを持て

先日の「あなたは解けるか? “問題文がない”入試問題」の中でも紹介した、「Compasses over Maps(地図よりもコンパスを持て)」。AI(After Internet)時代に求められる基本原則として、MITメディアラボが発信した9つのフレーズのうちの1つだ。

急速に変化する世界の地図はすぐに書き変わってしまう。先を見通すことができない時代だからこそ、地図を作るのに時間とコストをかけるのではなく、自分の中にコンパスを持つべきという考えだ。

英国最古の手術台が実現していた360度シアターは、まさに自分の中にコンパスを持つために用意された環境なのかもしれない。つまり、いつ何が起きるか、どんな変化が起きるかを手術をする医師以外の他の医療関係者まで含めた体制で、360度を見渡して正しい方向に導くコンパスを生み出していたのだ。

アクティブラーニングとは、まさにこの「コンパス」を持つための学びだと言えるだろう。日本のこれからの教育、ビジネスを考えていくにあたって、世界の超一流がやっている「アクティブラーニング」から、積極的に学びとるべきことは多そうだ。

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超一流はアクティブラーニングを、やっている。
相川 秀希 著(東京書籍)

意外と簡単! MITやスタンフォードの超一流ビジネススクールでもやっている「アクティブラーニング」。通常、私たちは「考えてから動く」ことに慣れていて、「感じたまま動く」ことには抵抗がある場合が多い。ところが、このスイッチを切り替えて、「感じて動く」を習慣化するだけで、どんな苦境も乗り越えられる現場力が身につく。大人でも学生でも、だれでもすぐに実践できるのが最大のポイント!気軽にできる「アクティブラーニング」で、超一流への道を歩みましょう!

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