即時締切!今大人気のアクティブラーニング研修の中身とは?

即時締切!今大人気のアクティブラーニング研修の中身とは?

8月1日、文部科学省の中央教育審議会は、2020年から適用となる新しい学習指導要領について、明確な方針をまとめた。小学校の英語教育改革に始まり、高校における歴史統合の教育方針など、その具体性は多岐に渡るが、要になっているのは、やはり「アクティブラーニング」を全ての教科で取り入れるという方針決定だ。

現在、アクティブラーニングはすでに様々な教育現場でスタートしている。例えば、産業能率大学は、アクティブラーニングを取り入れた入試、その名も「AL(アクティブラーニング)入試」を実施しており、桐蔭学園でも、来年度より中学入試で「AL入試」を取り入れることを発表している。

教育の質的転換が議論の的になるということは、当然ながら、教員自身のマインドチェンジと、現場を仕切るファシリテーターのスキルアップが急務になる。

そういった目的で行われる研修は増えてきたが、8月8日に全国の教育関係者を対象に実施された「アクティブ・ラーニング研修(教員のためのシアターラーニング)」は、東京町田という郊外での開催地にもかかわらず、全国各地の小中高大の教職員から申込みが殺到し、定員100名の席がすぐに満席となった。

今回は、アクティブラーニング研修の中でも、今、大きく注目を集めているこの研修をレポートする。他の研修と、いったい何が違うのだろうか?

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シアター(劇場)が教室になる

「アクティブ・ラーニング研修(教員のためのシアターラーニング)」は、独立行政法人教員研修センター「平成28年度教員の資質向上のための研修プログラム開発事業」に採択された認定プログラムだ。

研修時間は4時間。担当するのは、「音楽座ミュージカル」のプロの俳優たち。なぜ、アクティブラーニングにミュージカルなのか? 疑問が頭に浮かぶが、アクティブラーニングを行うファシリテーターに求められる力が、音楽座ミュージカルの創造プロセスにおいて俳優たちが求められる力と重なっているのだという。

ファシリテーターに必要なのは、その場で「感じて動く」力だ。役職での上下関係にとらわれたり、日常の人間関係を過度に重視したりする環境では、想定内のシナリオでしか事が起きない。また、一方的に教える授業であれば、予定調和で進行できる。しかし、未来の教育現場に求められているのは、解答のない想定外でのアクションだ。アクティブラーニングには常にクリエイティブな創発力が求められる。

この点において、演劇メソッドである「即興(インプロビゼーション)」や、ある状況を協働して作り出す「シーン創造」は、まさに将来の力を先取りするトレーニングとなるわけだ。

教育改革を支える、オリジナルのアクティブラーニングメソッド

研修会場は、東京都町田市にある音楽座ミュージカルの稽古場。参加した教育関係者の方々は、普段なかなか足を踏み入れることのないミュージカルの創造現場に、やや緊張した面持ちで参加したが、プログラムが開始すると、ほどなく場内は笑い声が上がるなど、和やかな空気に包まれた。

このプログラムの最大の特長は、ミュージカルの創造プロセスに参加者が入り込むという点だ。参加者は、その場で体験したことを、逐一オリジナルのルーブリックを用いて自己評価していく。さらに、実際の教育現場で応用可能な、学生へのフィードバックの視点も養うようにプログラムが構成されている。まさに、アクティブラーニングの実践に直結する内容がふんだんに盛り込まれている。

関東エリアはもちろん、北海道をはじめ、新潟、広島、高知など全国から集まった参加者は、ファシリテーターとしてのスキルアップもさることながら、これからアクティブラーニングを行う同志として、お互いにネットワークを築いたようだ。

次回のアクティブ・ラーニング研修は8月19日(金)に実施されるが、こちらもすでに定員オーバーで締め切られている。

●今回レポートしたアクティブラーニング研修の問合せはこちら

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