「温故“創”新」100年前の入試問題が、今アツい!

「温故“創”新」100年前の入試問題が、今アツい!

2020年度の大学入試(2021年1月実施)から、新しい入試が始まると言われている。

2016年5月に行われた教育ITソリューションEXPOの基調講演に登壇された安西祐一郎氏の言葉を借りれば、この入試改革は「明治時代の教育改革以来の大改革」。だが、この入試の当事者である受験生や保護者にとっては、実際に何がどうなるのかは、具体性に乏しく、雲を掴むような話だとも言える。

2016年現在、文部科学省の方針には「思考力・判断力・表現力」という言葉が繰り返し登場する。センター試験に変わって実施される予定の新しい統一テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」も、この考え方に基づいて作問されるという。では、はたしてどのような問題になるのだろうか?

実は、これまでの歴史の中にその答えがあるかもしれない。

中学入試は入試改革を先取りしている

たとえば、福田康夫氏、橋本龍太郎氏といった元首相や、芥川賞作家の吉行淳之介氏、そして日本を代表するジャズピアニスト山下洋輔氏など、多くの人材を輩出してきた麻布中学では、入試でこのような問題を出している。

「ドラえもん」が優れた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。(2013年理科)

知識だけでなく、発想力、思考力などの総合的な力が求められる問題だと言えるだろう。

では、こちらの問題はどうだろうか?

シアトルの全ての窓ガラスを洗浄するとして、あなたはいくら請求しますか?

これは入試問題ではない。Googleの入社試験の問題だ。正確な見積もりを出すことが目的ではない。どういった切り口で答えを出すかが問われている。答えは1つではない。思い切った発想でビジネスプランをデザインする力が必要だ。これから訪れる大学入試改革の種は、中学入試や、今のビジネスの領域にすでにあるのかもしれない。

100年前の東大入試は新しい

最後にこの問題に挑戦してほしい。

この答案用紙何枚で地球の全表面が被えるかを計算せよ。

実は、これは、約100年前の東大(東京帝国大学)の入試問題だ(大正10年・物理)。この問題が、たとえば来年の入試で出題されたとしたら、多くの人が「新傾向の問題だ!」と口を揃えて叫ぶことだろう。

極めて斬新で、創造性の高い問題だと言える。きっと当時も、時代の転換点を迎え、柔軟で自由な発想を持った人材を求めていたに違いない。ようするに、今と違いはないのだ。いつの時代も、決められた枠の中に答えを書けるだけの人材ではなく、新たな価値を生み出せるような発想力豊かな人材が求められてきたはずだ。

もしかすると、歴史を振り返ることで、「温故知新」ならぬ「温故“創”新」のヒントを見つけることができるかもしれない。

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