ゲーム機で「課金」騒動!? 問題になる前に知っておきたい「課金」の話

ゲーム機で「課金」騒動!? 問題になる前に知っておきたい「課金」の話

小学生に「スマホやネットの良いところと悪いところ」を聞くと、「コミュニケーションの問題」と同じくらいに「課金」についての答えが返ってきます。

実際、「課金」に関するニュースを定期的に見かけますし、保護者にとっても子供の「課金」をどこまで許可すべきなのかなどは悩ましい問題です。

以前、文部科学省が公開しているオンラインコミュニケーションを考えるための動画「適切なコミュニケーション(小5~中1) うまく伝わったかな?」を視聴した小学生に、動画の中で感じた問題点を考えてもらったことがあります。

解説で取り上げられるポイントは、ネットでも相手の状況を考え、言葉を選んでコミュニケーションをとる必要があるということなのですが、動画内の「アイテム購入」が描かれたシーンを見て「課金してまでゲームをしたのがそもそもの問題」という答えが返ってきました。

もちろん、お金について考えることは大切ですが、使い方に触れることなく、「課金が問題」
と刷り込んでしまっては、「無料であれば問題ない」と極論に走ってしまうこともあるため、バランスの良い伝え方が大切です。

基本プレイ無料の仕組み

「基本プレイ無料」のゲームは、特にお金を払わなくても楽しむことができますが、追加でお金を支払う「課金」を行うことで、様々な特典を入手することができます。

  • 無料では手に入らないアイテムを入手、利用して自己表現
  • 便利なアイテムの入手や、ライフの即時回復など優位で快適なゲーム展開
  • ゲーム前半は無料で、後半のシナリオをプレイするためのロック解除

など

ゲームを利用する一部のユーザが「課金」する、フリーミアムというビジネスモデルの上で「基本プレイ無料」のゲームが成り立っています。

ゲームを公開している企業のIR情報を見ると、課金率や課金ユーザ当り売上高などが記されていますので一読してみると良いかもしれませんね。

基本プレイ無料はゲーム機でも

さて、「基本プレイ無料」のゲームはスマホアプリに限ったものではなく、ゲーム機にも提供されています。

一昔前のゲーム機と言えば、カセットやディスクによるソフトの買い切りでその後の追加料金は発生しませんでした。しかし、子供たちが利用しているゲーム機(3DS、Wii U、PS Vitaなど)はネットにつなげることで、「基本プレイ無料」で必要に応じて課金を行う「ダウンロードソフト」を手に入れることができるのです。

支払い方法は、クレジットカードだけでなく専用のプリペイドカードもあり、プリペイドカードはコンビニで簡単に入手することができます。

こうなると、課金のトラブルはスマホだけの問題とは言えなくなってきます。

「課金」について確認・設定をしよう

予備知識のない子供が「課金」を制限なく行ってしまわないように、最低限クレジットカード情報の登録の有無は確認しておきましょう。

保護者が利用していた契約切れスマホを子供に与える場合には、保護者が登録したクレジットカード情報が残ったままのものもあります。
スマホでもゲーム機でも、一時的に利用させるつもりで登録したクレジットカード情報が、一時的ではなく、常に利用可能になっていることもあるかもしれません。
まずは、登録されている情報の有無を確認し、不要な支払情報は削除を行いましょう。

支払い情報削除、確認手順

子供が保護者に確認しながら「課金」を行えるように、各メーカーが公開している機能制限を利用するとよいでしょう。

機能制限の利用手順

「課金」について子供に伝えたいこと

小・中・高等学校の学習指導要領では消費者教育が盛り込まれています。

平成26年度に公開された「文部科学省における金融経済教育の取組について」には、「自覚ある消費行動の基礎として,自分の消費に使える金銭には限りがあることや優先順位を考えた計画的な支出が必要であることなどに気付くようにする」と書かれています。

「課金」は消費者行動の一環ですから、ゲームのアイテム購入にお金を使うなんて!と特別視するのではなく、子供が持つ大切なお金をどのように使うのか、また使ったお金は何に利用され還元されていくのかを伝えたいところです。

消費者教育は学校に一任せず、保護者も一緒に話し合っていく必要があると考えています。

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