大学ごとにどれだけ違う? 海外大入試の評価方法[Internationl ACAC 2017 レポート②]

大学ごとにどれだけ違う? 海外大入試の評価方法[Internationl ACAC 2017 レポート②]

International ACACのカンファレンスでは、多様なセッションが用意されている。そんな中、海外の高校のカウンセラーの注目を集めたセッションのひとつが“Extra! Extra! We Read All About It!”(号外! 号外! 私たちは全て読みます!)だった。

アドミッションオフィサーの仕事は多様だが、端的に2つピックアップするとしたら、“Recruit”(リクルート)と“Read”(読む)があげられるだろう。“Read”(読む)というのはアドミッションオフィサーの間では共通の専門用語で、出願されたアプリケーションを「評価する」という意味だ。アプリケーションの評価プロセスにおいて、“Holistic Review”(多面的・総合的評価)は、米国大学では一般的な方法で、それは国際学生に対しても例外ではない。そのプロセスに多少の違いがあるとすれば、大学のサイズが関係してくる。

アメリカの大学は多くの場合、3つのカテゴリーに分けられる。

  1. 巨大な総合大学又は州立大や、専門性の高い難関校
  2. 中型の総合大学
  3. 小さなリベラルアーツ大学

今回のセッションでは、それぞれのカテゴリーから1つの大学が事例として取り上げられた。

各カテゴリーの大学別のインターナショナル出願件数

 カテゴリー 1 2 3
大学 Georgia Tech University Tulane University Elon University
出願件数/年 7000件 2500件 1000件

 

アメリカの大学のアドミッションプロセスでは、多くの大学がCommon Applicationというオンラインアプリケーションサービスを活用している。このサービスの特徴は、志願者は1つのアプリケーションを作成すると、Common Applicationを利用している大学であれば、複数の大学に出願することができる。アプリケーションで求められる一般的な要素は次の通りだ。

  • 学校の成績(GPA)
  • SAT、ACTなどのスコア(近年ではこれを必須としない大学が増えている)
  • 活動実績
  • エッセイ(多くの場合がオプショナル)
  • 推薦書(多くの場合がオプショナル)
  • その他PR素材(オプショナル)
  • +国際学生は、英語力を示すTOEFLなどのスコア

大学により、アプリケーションで求められる情報や、評価のプロセスに違いがあるとすれば、どのようなものだろうか? 大前提として、アメリカの大学では特に「志願者が自分の大学に“fit”するかか」が大切にされている。これは、志願者が、他の志願者と比べて優れているかどうかではなく、自学の求めている学生像に合っているかどうか、そして、自学の学生となった時に成功する人物であるかどうかを見極めるという意味だ。この基本に立った上で、それぞれの大学の国際学生に対するホーリスティックリビューの特徴をまとめてみた。

Georgia Tech University
毎年受け取るアプリケーションの数が多いため、エッセイや、その他のPR素材などの提出を求めていない。また、アメリカの大学としては珍しく、TOEFLなどの英語テストのスコア提出を必須としていない。その代わりに、この志願者がこれまでに英語で学んだ機会や、英語のプログラムに参加して実践的に英語で学んできた経歴を評価する。また、オンラインインタビューを受けることを強く促している。これは、事前に準備されたエッセイや、PR動画で志願者を判断するのではなく、インタビューでありのままの生徒を見ることで、英語力や人物像を評価したいという意図だ。

Tulane University
受け取るアプリケーションの数がどれだけ多くても、提出されたエッセイには時間をかけ丁寧に向き合うことで、志願者の人物像を評価する。その他のPR素材などの提出は受け付けているが、多くの場合、あくまでも参考にする程度であり、評価に大きな影響を与えることはない。

Elon University
規模が小さい分、スカイプや、メッセンジャーなど、様々な方法で、志願者と密にコミュニケーションをとることで、その人の個性と向き合うことに時間を使っている。また、エッセイや、推薦書、その他PR素材にも丁寧に向き合い、志願者を評価する。他の2つの大学と違い、特徴的だったのは、ZeeMeeというオンラインプロファイルの提出をアプリケーションの一部として受け付けることで、活動実績や、エッセイに書いてあった内容をより深く理解しようとしている点だ。

大学の数だけ評価の方法がある。出願されたアプリケーションを公平に評価するのは当たり前だが、アメリカにおける公平とは「その学生が本当に自学に“fit”するかどうか」ということだ。

志願者の視点からすると、このようなホーリスティックリビューというアプリケーションプロセスの文化があるアメリカで、重要になるのは、“demonstrate your interest”(自分の関心を表現する)ことだ。自分が何者で、この大学で何を得たいのか、なぜこの大学に入りたいのか、を表現することが求められる。名門校だから、就職がいいから、といった偏差値的な興味ではなく、自分のこれまで生きて来た経験と、これからどうなりたいかという未来の展望とを考えた時に、この大学だからできるという確信を、その大学の求める方法で伝えるということだ。

オンラインツールで、一度に複数の大学に簡単に出願できる時代だからこそ、4年間という貴重な時間を、なぜその大学で過ごすことを選ぶのかを考え、表現できる力が志願者には求められていると言えるだろう。

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