世界86ヶ国の教育関係者が集うカンファレンスの実態に迫る[Internationl ACAC 2017 レポート①]

世界86ヶ国の教育関係者が集うカンファレンスの実態に迫る[Internationl ACAC 2017 レポート①]

2017年7月11日から14日にかけて、米国オハイオ州のクリーブランドにあるCase Western Reserve University(ケイス・ウェスタン・リサーブ大学)にて、International ACAC(International Association for College Admission Counseling)のカンファレンスが開催された。

International ACACの前身であるOverseas ACACは、1970年代に誕生し、アメリカで学ぶ留学生をサポートする組織として活動していたが、その後、アメリカ高等教育における最大規模の組織であるNACAC(National Association for College Admissions Counseling)に加盟。留学生の支援だけでなく、海外学生を募集し受け入れる教育機関のブレーンとしても注目されており、NACACは23のアフィリエートから構成されているが、その中でも、最大の組織となっている。

International ACACのカンファレンスは年々人気が増しており、近年では事務局サイドで人数制限が設けられている。このため、今年もカンファレンス直前までウェイティングリストに名前を連ね、参加を待つ人が出るほどだった。

International ACACの参加者は、ダイバーシティにも富んでいる。アメリカからの参加はもちろんのこと、世界86ヶ国より高校のカウンセラーと、大学の国際学生担当のアドミッションオフィサー、そして、海外で学ぶ学生を支援する企業・団体など、計1300人が参加。そのうちの400人がファーストタイマー(初参加者)だったことからも、年を追うごとにニーズが高まっていることがうかがえる。

2017年の開催地として選ばれたCase Western Reserve University。

23回目となるカンファレンスの開催地として選ばれたのはCase Western Reserve University。同大学は、International ACACを誘致するために、この5年間、留学生の数を倍増させ、ロールモデルとしてふさわしい活動を行うだけでなく、多くの参加者を受け入れるだけの施設を増設するなど、この日のために準備をしてきたという。現在は私立総合大学だが、もともとは、1880年に創立したケース工科大学と、1826年創立のウェスタン・リザーブ大学が前身となっている。16名のノーベル賞受賞者を輩出したことや、全米の中でもトップ10に入る看護医療系スクールとして知られ、広大なキャンパスの敷地内には、プロのオーケストラを抱えるホールや、美術館も有している。

初日は、カンファレンスの舞台となるCase Western Reserve Universityのキャンパスツアーから始まり、ファーストタイマーだけが招待されるオリエンテーションとネットワーキングミーティング、プロの管弦楽団の演奏から始まったオープニングセレモニーや、交流レセプション、少人数制のディナーセッションまでと盛りだくさん。さらに、夜9時からはなんとドッジボールが行われるなど、めまぐるしいスタートとなった。

オープニングセレモニーは弦楽4重奏から始まった。

しかし、このような忙しいスケジュールの裏には、普段出会うことのない人たちが出会い、繋がりを作れる工夫がなされている。人と人とがつながることで、教育全体が良くなると考えているのだ。

世界全体で大学がレベルを上げている状況で、海外大学への進学を希望する学生にとって、アメリカの大学だけが選択肢ではなくなっている。このような時代において、海外学生の獲得は、どの大学にとっても頭を抱える問題であることは間違いない。

国によって教育環境も生活習慣も、大学に求めるものも、財政状況も異なる中、直接会ったことのない志願者を、「本当に自分の大学で成功する学生となるかどうか」判断するのは、誰もができるような仕事ではない。プロシェッショナルなスキルはもとより、パッションの求められる職業領域となっている。だからこそ、そのプロシェッショナルの育成は、自大学だけで解決できる問題ではなく、大学の枠を超え、また利害関係を超えて繋がり、知見をシェアし、切磋琢磨していかなくてはならない。そうすることでこそ、教育が発展していくのだと、筆者はこのカンファレンスを通じてあらためて実感した。

夕方から野外で行われたネットワーキングパーティーには多くの参加者が出席した。

2017 International ACACカンファレンス セッション例

  • PROMOTING CULTURAL DIVERSITY ON YOUR CAMPUSES
  • BUILDING AN INTERNATIONAL RECRUITMENT & FINANCIAL AID STRATEGY: HOW TWO INSTITUTIONS DID IT, STEP-BYSTEP
  • INTERNATIONAL ADMISSIONS 101: WHY DO WE DO WHATWE DO?
  • ROAD WARRIOR REVERSAL: BEST PRACTICES FOR COUNSELOR VISITS TO CAMPUS
  • SEOUL SEARCHING: KOREAN UNIVERSITY ROAD TRIP
  • HARVARD, STANFORD OR BEST? GUIDING STUDENTS TO A THOUGHTFUL COLLEGE LIST
  • AROUND THE WORLD IN 12 APPLICATIONS
  • LAUNDRY 101: THE CLASS THAT WAS NEVER TAUGHT
  • USING ENGLISH PROFICIENCY SCORES WELL IN THE ADMISSION PROCESS
  • HELPING FAMILIES NAVIGATE THE FORMS: ISFAA, FAFSA, CSS AND MORE
  • “WHY DO LIONS HAVE MANES?” OR “TELL ME A BIT ABOUT YOURSELF”—WHAT TO EXPECT IN ADMISSIONS INTERVIEWS AROUND THE WORLD
  • CANADIAN COLLEGE AND UNIVERSITY OPTIONS
  • A CROSS-COUNTRY COMPARISON: BEST PRACTICES IN GLOBAL STUDENT RECRUITMENT
  • COLLABORATION OVER COMPETITION: HOW THE SCHOOLS OF THE BIG TEN WORK TOGETHER TO ACHIEVE THEIR GOALS
  • NEW FEEDERS: INTERNATIONAL STUDENTS’ PATHS TO U.S. HIGHER EDUCATION
    FOSTERING CULTURAL COMPETENCY

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