あなたが定期を拾ったら、その定期をどうしますか?
- 警察や拾得場所の施設管理者に届ける
- SNSに写真を撮って載せる
落し物は警察に!という教えは今も昔も変わらないようで、子供達に聞いても「そんなの1に決まってる」という答えが返ってきます。
もちろん、拾ったものを警察や拾得場所の施設管理者へ届けるというのは、マナーや良識だからというだけでなく遺失物法 第四条に書かれた拾得者の義務でもあります。
子供たちも、ちゃんと警察に届けているのだから問題ないのではと、この答えだけを聞けば思ってしまいます。
しかし、警察や拾得場所の施設管理者に届ける前に、拾った人が写真を撮って「持ち主に届け!」とSNSに投稿していても問題ないと言えるでしょうか。
拾ったものを撮った写真、投稿しても良い?
自分の財布や定期入れを覗いてみると、そこには何が入っているでしょう。
紙幣やレシート、ポイントカードにクレジットカード、運転免許証や学生証などの身分証明書に、乗降駅や氏名年齢が記載された定期券、色々なものが入っていますね。
では、それらを写真に撮ってSNSに投稿するとどうなるでしょう?
レシートやポイントカードから、どの場所の、どの店を利用しているかがわかります。
クレジットカードやキャッシュカードは不正利用の怖れがありますし、運転免許証や学生証などの身分証明書がセットであれば暗証番号が推測される可能性があります。
定期券には乗降駅や氏名年齢が記載されており、知らない人にわざわざ公開したい情報ではありませんよね。
ちょっと想像してみれば、自分の財布の中身を写真に撮ってSNSに投稿して見せびらかすような人は殆ど居ないでしょう。
それが、拾った第三者の財布の中身となればなおさらです。
善意のはずが被害者を生むことも!
財布やカバンなどの中身が入っていることが想定される拾得物に関しては、警察や拾った場所の施設管理者が落とし主に引き渡す前に、中身を質問されることもあります。
しかし、確認される中身がSNSで不特定多数に公開されていたらどうなるでしょう?
![]() ピンクの○○(ブランド名)のカバンに、山田花子って名前の名刺がたくさんと、山田ってハンコと、ノートやスマホが入っていたのを△△駅のベンチで拾ったよ。 △△駅に預けたので、持ち主に届け! |
(投稿例)
「持ち主に届け!」と投稿していても、拾得物が持ち主に届く前に第三者が落とし主になりすまして引き取ってしまうかもしれません。
落し物を拾ったらどうすればいい?
では、落し物を拾った場合はどうすれば良いのでしょう?
店や駅などの施設内で拾ったときは、拾得場所の施設管理者に24時間以内に届けましょう。
道路上などの施設外で拾ったときは、速やかに落とした人に返すか、7日以内に警察署や交番・駐在所に届出が必要です。
拾得物をそのまま自分の物にすると、遺失物横領罪となる場合があるので要注意です。
警察に届けても、落とし主が調べようがないじゃないか!なんて思っているのであれば、それは間違いです。
都道府県警察における遺失物の公表ページを見れば、どの都道府県でも、警察に届いた遺失物を検索可能にしていますので、わざわざ拾得者がSNSに投稿しなくても落とし主には探す術が用意されているのです。
どうしても、SNSに投稿したい!
そんなときには、個人情報や詳細な内容を伏せたうえで、投稿するとよいかもしれませんね。
「ピンクのカバンを△△駅で拾ったので、駅に預けています」
学校では、誹謗中傷やデマといった悪意のある投稿をしてはいけないと教えられます。善意の投稿も、受け止める側によっては、悪用ができる投稿になってしまいます。
せっかくの善意ですから、悪意ある第三者に利用されないよう、SNSをうまく活用していけるといいですね。