スマホ子守はどこまでセーフ?

スマホ子守はどこまでセーフ?

「スマホ子守」という言葉を皆さんはどのように受け止めますか?

日本小児医師会から「スマホに子守りをさせないで(PDFデータ)」というポスターが公開された際、賛否がわかれ話題になりました。

日本小児医師会ポスター

たしかに、日本小児医師会ポスターのようにスマホを子供が欲しがるままに与え子供の行動を顧みず、子供の安全に配慮すべき時にスマホに夢中で危険を察知できないのは、極端で問題のある行動ですが、実際に携帯電話やスマホがある時代に子育てを行ってきた筆者にとっては、スマホがある子育ては多くの母親にとって日常であると感じています。

子供をあやす道具としてのスマホ

子連れで遠方に出かける場合、どんな持ち物を持っていくでしょう。

筆者が持ち歩いていたもの

乳児期
着替え×2セット、タオル×2枚、ビニール袋数枚、オムツ数枚、お尻ふき、哺乳瓶、ミルク用のお湯&水、携帯粉ミルク、ティッシュ、ミニ絵本、玩具

 

乳児期やまだオムツがはずれていない時期の子供の場合、幼児期よりも持ち物がかなり多くなりますね。

さて、子供を抱き、カバンに荷物を詰め込み公共の交通機関に乗車する際に、気になるのは他者の目線です。

2015年に@niftyが公開した電車についてのアンケート・ランキングでは「大声で騒ぐ」や「走り回る子供を注意しない親」にイラっとするというものがありました。
多くの保護者は子供に大声を上げさせたり走り回らせたりしないように、絵本や折り紙、玩具などを持ち歩くのです。

とはいえ、絵本や折り紙、玩具も万能ではありません。

子供と景色を見ながらの会話も試みて、手を尽くした結果、絵本も折り紙も玩具も会話もイヤイヤとなった場合、どうすれば良いのでしょう。

もっとたくさんの絵本や玩具を持ってくるべきだったのでしょうか、それは荷物が増えすぎて疲弊した保護者にとても酷な選択に思えます。

ふとしたタイミングで、スマホを手にしている子供を見かけた場合、その様子を持っているもの全て試した後の最終手段だと思う人はどの程度居るのでしょう。

筆者は、一時的に子供をあやす道具としてのスマホ利用は「あり」だと思っています。

子供と楽しむ道具としてのスマホ

  • マンガばかりで、もっと○○しなさい。
  • テレビばかりで、もっと○○しなさい。
  • ゲームばかりで、もっと○○しなさい。
  • スマホばかりで、もっと○○しなさい。

今までも、子供達は様々な道具についてこのように言われて過ごしています。

もっとも、マンガもテレビもゲームもすべてスマホの中にアプリという形で入れることができるため、やはりスマホは子供には良くないと言われることも多いようです。

しかし、スマホに入れることができるものは娯楽目的のものに限られてはいません。

筆者はスマホやタブレット(Kindle)の中に、子供と読むための絵本や図鑑を数多く電子書籍形式で保存していますし、たし算やひき算の練習や、漢字クイズといった学習アプリも利用しています。

もちろん、小学校低学年に成長した子供です。

保護者と子供が一緒に本を読んだり勉強の確認に利用したりするのも、いまや、道具としてのスマホやタブレットなのです。

スマホ=道具である。

このように思って利用している保護者であれば、それは「スマホ子守」とは違うのではないでしょうか。

スマホ子守はどこまでセーフ?

2017年5月末に内閣府より公開された低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査では、0歳から9歳までの子供たちの年齢別インターネット利用時間が公開されています。

低年齢ほど動画視聴の割合が高く、年齢が上がるとともにゲーム利用の時間が増えています。

これは、低年齢であればあるほど受動的であり、年齢が上がれば能動的に行為の選択を行っているからとも言えそうです。

2017年6月末に厚生労働省より公開された平成28年 国民生活基礎調査の概況では、児童がいる家庭で働く母親は67.2%であり、年々その値は増加しています。

仕事から帰宅して、晩御飯準備等の家庭の仕事をする間に子供の相手をガッツリ向き合って行うことは非常に困難で、絵本や玩具等で一人遊びをさせていたところにスマホやネットが食い込んでいるというのが現状な気がしますが、それが正に「スマホ子守」と言われてしまうと、やはり、働く母親としては辛くなってしまいます。

どこまでセーフ、どこからアウトという線引きは家庭の状況によって異なるということも一考する必要があると筆者は考えています。

極端な禁止は不寛容な社会を後押しするようにも思います。

子供とのコミュニケーションのため、用事で手が離せないときや公共の場で退屈しないよう工夫するため、など、必要に応じてスマホをひとつの道具として活用していけたらいいですね。

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