プリペイドカードで考える消費者教育

プリペイドカードで考える消費者教育

ネットで「課金」をしたことがありますか?

スマホゲームで「課金」しようと思うときは以下のようにさまざまな状況が想定されます。

  • コラボイベントなど期間限定アイテム・キャラクターの獲得
  • ゲームをインストールした際のスタートダッシュ(開始72時間限定販売など)
  • アイテムのタイムセール
  • 毎月定期的に金額を決めて

「課金」を行えば、ゲームを優位に進めることができたり、期間限定のアイテムやキャラクターを入手できる可能性が増えたりするなど、「課金」を行わないときに比べて短い時間で目的を達成できるのです。

そんな「課金」について、子供たちはどのような思いを持っているのでしょうか?

小学生たちの「課金」感

筆者は小学校で講演を行う際に、文科省の動画を子供たちに視聴してもらい子供たち同士が議論する時間を設けています。

参考:

この教材は、「相手や状況に応じて、コミュニケーション手段を適切に選ぶことや相手への思いやりが必要であることを理解し、よりよい関係のあり方を考える。」ことをテーマとして監修されています。

ネット対戦中のゲーム内で怒りのスタンプを送りあう場面では、見ているほうがハラハラする展開で、画面越しのコミュニケーションの難しさを子供たちに伝えています。

動画を視聴した子供たちに「何がいけなかったと思う?」「どうすればよかったと思う?」と質問をすると、「スタンプではなく言葉で伝えればよかった」「翌日、学校で声をかければよかった」という教材の狙いに沿った意見だけではなく、スタンプを送りあう原因となった有料アイテムを購入しているように見えるシーンを指摘し「課金をしたことがずるい」という意見が飛び出すこともあります。

子供たちにとって課金という行為は、コミュニケーションの問題と並んで気になることのようです。

中高生たちの「課金」感

小学校から中高生に学年が上がると、お小遣い内で範囲を決めて課金をするという層もチラホラ見かけるようになります。

総務省が公開しているインターネットトラブル事例集で、「利用範囲や時間、課金、各種制限など、発達・成長段階に合わせてルールを調整しましょう」と書かれており、調整されたルールの結果とも考えることができますが、MMD研究所の親と中学生に聞く初めてのスマートフォン利用の実態調査では「親に言わずにアプリに課金した」という項目があるように、一概にルールの変更に伴う意識の変化とは言えなさそうです。

子供たちが課金する方法

子供の課金トラブルに対する注意喚起の多くは、子どものスマートフォン課金トラブルを防ぎましょう(JOGA)などで出されているようなクレジットカード決済による高額課金についてのものです。

保護者の所持するクレジットカード番号や、保護者がスマホに保存してしまったクレジットカード情報を利用するといったように、カードの名義人ではない子供がクレジットカード情報を利用してしまった場合の課金トラブルについてはニュースなどでも消費者問題として度々取り上げられたため、実態は「課金=プリペイドカード利用」が多いにもかかわらず、「課金=クレジットカード利用」と思っている保護者もまだまだ多いようです。

しかし、コンビニエンスストアやスーパーのレジ横にはプリペイドカードが鎮座し、購入する際に年齢確認をされることはまずありません。

筆者が相談を受けた中には、子供がお年玉や進学祝いでプリペイドカードを購入し、子供の部屋で裏面が剥されたプリペイドカードの山を見て、保護者は初めて子供が課金していたことを知ったというものもありました。

プリペイドカードの中には親権者が同意していない場合でも、登録内容に同意の印があれば、年齢にかかわりなく未成年でもVISA等のクレジットカード番号を利用することのできるものも存在しています。

アプリマーケットの仕組み上、携帯電話事業者から年齢情報を提供されないかぎり、スマホゲーム提供会社は利用者の年齢情報を把握できないため、アイテム購入前に生年月日の確認を行う画面を設ける等していますが、利用者が年齢詐称すれば、年齢による利用限度額の制限を行うことはできません。

もちろん、AndroidもiPhoneも保護者による利用制限やファミリーアカウント等の仕組みを利用することで、課金への制限を設けることは可能ですが、残念ながら保護者の多くはその機能を知らなかったり、使いこなすことが難しかったりするようです。

参考:

 

2018年3月20日の閣議決定で変更された「消費者教育の推進に関する基本的な方針」では、消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行うべきとされています。

子供たちへの消費者教育だけでなく、私たち保護者が率先して消費者問題について考える必要があるのではないでしょうか。

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