音声読み上げ機能を活用するためのポイントその1~ICT活用の現場から⑧

音声読み上げ機能を活用するためのポイントその1~ICT活用の現場から⑧

本連載でも以前(第2回)触れたが、iPhoneやiPadにはOS標準で「VoiceOver(ボイスオーバー)」という音声読み上げ機能が搭載されている。

画面内のアプリやメニュー、Webサイトのリンクや文字などにタッチすると、逐次音声で説明してくれるという便利な機能だ。

画面を視認して操作することが難しい全盲の人はもちろん、視力が低い弱視の人でも補助的に使用していることがある。

VoiceOverを起動することで変わる操作方法

VoiceOverを起動すると選択した箇所に「フォーカス」という枠が表示される。枠の太さは2段階で調整できる

気をつけておきたいのは、VoiceOverを起動すると操作方法が少し変更されることだ。

たとえば通常はアプリを1回タップするとすぐにアプリが開くが、VoiceOverを起動しているときは1度タップしただけだとアプリは開かない。VoiceOverでは1度目のタップは「タップしたものが何かを音声で伝える」操作のためだ。

そのためVoiceOverを起動中にアプリを開くには、1度任意のアプリをタップしたあと、ダブルタップ(1本指で素早く2回タップ)するという操作が必要だ。

※他にもアプリを開くための操作方法はあるが、VoiceOverでいきなり多様な操作方法を耳にしてしまうと、たいていは混乱してしまうことが多い。そのためここでは基本操作をベースとした方法のみ説明した。

VoiceOverにはさまざまな読み上げ方法があり、前述のようにタップした箇所の単語や文章を読んでくれもすれば、画面内の文章を自動で読み続けてくれるための操作や、メニューやリンクなどの項目を1つずつ順番に読み飛ばしていく操作方法もある。

これらの操作方法はタップの回数、使用する指の本数、フリック(弾く)方法などの組み合わせがそれぞれ異なる。たとえば画面内の文章を上から自動で読み上げるための操作は「画面を2本指で下から上にフリック」といった具合だ。

すべての操作方法を覚えようとすると頭がクラクラしてしまうかもしれない。とはいえ基本となる操作を4~5パターンも覚えればある程度は操作できる。最初は慣れも必要だが、繰り返し使ううちに頭で考えずとも自然に操作できるようになるのは他の機器と同じだ。

逆に言えば操作方法を知らずに意図せずVoiceOverを起動してしまった場合、まったく操作できず右往左往してしまうことが多い。

こうした場合には後述する方法(Siriを使ったオンオフ切り替え)ですぐにVoiceOverをオフにすることをお勧めする。

多様化したVoiceOverの起動方法

ここまでVoiceOverを起動したときの操作方法の変化について説明してきたが、では「そもそもVoiceOverってどうやって始める(起動する)の?」と思った方もいるのではないだろうか。

そう、VoiceOverは新旧問わずすべてのiPhoneとiPadに標準で搭載されているものの、ふだんは有効になっていないため、いざ使用するには起動する必要がある。

VoiceOverを起動する方法は年月を経るにつれて多様化した。誤解のないように補足すれば、ここでの多様化というのは「よい意味で選択肢が増えた」ということだ。

昔は「設定」アプリでVoiceOverを有効にするための事前準備が必要だったり、「ホームボタンを素早く3回タップする」といった、とくに年配者にとっては困難な操作が必要な時期もあった。

しかし今ではSiri(音声入力機能)で「ヘイシリ、ボイスオーバーオン」と、声(音声)で呼びかければ起動できるようになり、使い始める敷居は格段に下がった。

SiriでVoiceOverをオンにしたときの画面

オフにするときも語尾を「オフ」にすればよく、発声してよい環境であれば手軽に切り替えられるようにもなった(もっとも、日常的にVoiceOverを使用するユーザーにとってオンとオフを頻繁に切り替える機会は少ないため、発生する頻度もそう多くはない)。

主な機能以外のところにも気を配っておくことが大切

音声読み上げ機能は、通常時とは大きく異なるさまざまな操作方法や機能の利便性などに目が行きがちだ。

しかし「そもそもどうやって起動するのか」「障害があっても起動したりオフにすることが簡単にできるか」「困ったときにどう対処したらよいか」といった部分を見落としやすいこともある。

便利な機能を正しく快適に使うためには、機能だけでなく不測の事態を想定した側面にも気を配っておくことが大切だ。

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